平成24年4月からの運行計画(案)について
1.現状問題認識(今後のネットワーク見直しの視点に向けた課題整理)
○平成23年度より「幹線+支線ネットワーク」の考え方に基づき運行を開始した「つくバス」, 「つくタク」だが,運行開始後半年程度の間の利用特性等をみると,次のような問題・課題が みられる。
<つくバス・つくタクの利用状況・問題(資料No.1の結果概要)>
○つくバス:北部シャトルの利用は顕著だが,他路線では利用が伸び悩んでいる。
一方,一部の路線では停留所をこまめに置くことで利用が伸びている。
・北部シャトル以外は需要が定着しておらず,幹線路線としての地域間需要 を担いきれていない
・平成23年10月から新たに停留所を増設した結果,南部シャトルや自由ヶ 丘シャトルが走行する茎崎地区を中心に利用が増加
○つくタク:利用者の多くは高齢者,障害者であり,通院目的利用がほとんど。
・目標需要との乖離がつくバス以上に大きく,特に非高齢者の利用が顕在化 されていない。
○両手段間の乗継ぎ:乗継ぎ券発行枚数を見る限り,ほとんど顕在化されていない状況。
⇒現状としては,連携計画の基本的考え方である「幹線+支線ネットワーク」という公 共交通網の基本が成立していない可能性が考えられる。
隣接市
居住 地域
○鉄道利用(通勤・通学等) ○中心部への買物 等 ○大規模な病院への通院 ○外部から各地域への来訪
広域幹線(路線バス) 隣接市
市内幹線 (路線バス・コミュニティバス)
地域の核となる拠点
その他の停留所 (高密度需要地域) ○幹線との乗継
○交通弱者の 中心地区への直行
○日常的な買物 ○医院への通院
凡 例
広域幹線 (路線バス) <つくバス>
・「地域の核となる拠点」へのアクセス では利用が少ない
<つくバス>
・北部シャトル以外では,これらの 需要を担い切れていない
<つくタク>
・利用者の多くを高齢者・障害者が 占め,非高齢者の利用が少ない
<つくバス-つくタク> ・乗継需要がみられない
○前ページに示すような利用状況から,改善していくためには次のような項目についての検討が 必要となる。
○特に目標需要との乖離が大きい「つくタク」に関して,
① 現状の運行形態では「支線」としての機能を発揮できていない。
→ 本当に「支線」とすべきか?「支線」とするならばシステム全体の見直しが必要 (特に乗継に関して利用者ニーズに基づく利便性向上が必要。
仮に,乗継抵抗が大きく,かつ需要特性の面から「支線」としての役割に限界がある 場合(地域・時間帯)は,つくバスをきめ細かく停車させる方法や新たなルートに基 づく運行も想定される)
② 非高齢者の利用の顕在化ができていない可能性が考えられる
→ 非高齢者の行動実態に対応した運行形態に関する検討が必要
(生活圏と運行対象地区の設定等,従来の地域循環で非高齢者が利用していた行動パ ターンに合致したサービスとなっているかを検証することが必要)
→ 生活圏に即した運行形態に改善していくことにより,高齢者の利用促進も期待
⇒まずは,「つくタク」の需要をいかに増加させるか,
そして,「支線」としての機能を持たせるべきか,の視点にたち,以下に関する項目を 検討していくことが求められる。
<当面のつくタクの見直し方針>
①乗合タクシーの利用を増加させるためのエリア設定,運行方法の検討
・エリア設定を見直すことにより,定常的な利用が見込まれる区間については,将来 的に幹線である「つくバス」の運行方法・ルートの見直しを含め対応。
・そのための需要顕在化の見極めを実証的に検討することが求められる。
②運行区域の複数設定(地区を跨いだ応援配車体制の確立)
・現状,1台の車両が1地区を担当する形態となっているが,1台が複数地区を担当 することにより,需要が供給量を上回ったときのバックアップ体制を確保し,予約 飽和状態の解消により利便性を向上させる。
2.平成24年4月における運行方法の見直し(案)
(1)
「つくタク」の利便性向上
○「つくバス」のルート,及び「つくタク」の運行地区等の抜本的見直しについては,TXのダ イヤ改正時期にあわせて対応していきたい(今のところ平成24年10月を想定)。
○ただし,1.で示した現状問題認識へ対応するために,平成24年度当初段階から「つくタク」 のエリア設定・運行地区について若干見直しを図り,利用が多い地域間を抽出し,バス利用が 見込まれると判断される場合には,抜本的見直し段階においてバスルートとしての採用等を含 め検討する。
<平成24年10月の抜本的見直しの視点(イメージ)>
○つくバス:北部シャトル以外について幹線系としての機能発揮を継続すべきか? ある程度需要が見込まれる場合には,柔軟なルート設定を行うか? (時間帯に応じてルートの変更等を含めた柔軟な対応)
○つくタク:支線系としての機能を継続して持たせるか? エリア(運行対象地区)の設定を含めて見直すか?
⇒市民の足として機能するために,需要特性に応じた柔軟な見直しを行い,さらなる利用
を促進するための運行方法を採用する。
<平成24年4月の「つくタク」の運行地区設定等の見直し方針(案)>
①需要が見込まれる地域間の抽出(=10月ダイヤ改正に向けた需要特性の実証的把握)
・地区設定案:生活圏を意識した共通ポイントの増設
・従前から要望があがっている生活圏に対応した地区設定とすること、救急指定病院へ のアクセス可能性を高めること等のニーズを踏まえ,筑波地区から大穂地区(「大穂 窓口センター」「いちはら病院」「筑波記念病院」)間,茎崎地区から谷田部地区(「ア ッセ入口*」「筑波学園病院」)間のアクセスを可能とする。
*注)店舗入口前に移設のうえ共通ポイント化
・なお,生活圏内での移動範囲であることから,同一地域扱いとし,料金は「300円」 とする。
②運行区域の複数設定(地区を跨いだ応援配車体制の確立)
・応援車両の複数地区担当への変更
②
③
④
(2)つくバスの見直しについて
平成 24 年4月段階での見直し:バス停の増設及び移設
【新設】
①既存路線バスの運行減便傾向に伴い,南部シャトルに1バス停(牧園(畜産草地研究所前))
を増設し,つくばセンター方面への利便性を向上させる。
○第 11 回協議会(平成 23 年8月開催)において,市民等から要望のあがった 21 箇所につい て,「迂回に伴う所要時間の増大」や「既存バス路線との競合状況」,「需要見込み」等から 評価し,12 箇所にバス停を増設することが承認された。これに基づき,平成 23 年 10 月から 新たにバス停を増設して運行を開始したところである。
また,増設を見送った9箇所についてはバス停設置による所要時間変化等の運行状況,新設 停留所の利用状況等をみながら,次期運行計画見直し段階において今回同様に地域の参画を 促しながら設置可能性について検討することと位置づけた。
○しかし,9箇所のうち1箇所(南部シャトル:牧園)については,競合関係からバス停の設 置を見送ったものの,当該地域からつくばセンター方面へ運行する便数は,平成 23 年 10 月 の路線バスの減便に伴い,それまでの平日1日4往復から1往復のみ(休日は運行なし)と なっており,実質競合しているとは言い難い(なお,その他のバス停については同様の問題 が発生している状況とは判断できない)。
○また,要望のあがっている地域近辺に「独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 畜 産草地研究所」が立地していることから,通勤,業務目的での利用が期待される地域であり, バス停の増設に関して有効性が高いと考えられる。
○したがって,平成 23 年 10 月の増設箇所に上記の1箇所を追加した形で運行したい。 なお,当該バス停についても,10 月に増設した箇所と同様に,地域参画の考え方の導入し, 地域の協力(努力)も仰ぎながら利用促進活動を進めることとする。なお,新設箇所におけ るバス停利用者数等をモニタリングしながら検討していくこととなるが,新設に当たっての 区会・地域住民への説明については次の方針で進めることとする。
○設置に当っての地域への説明:
「地域の皆さんでぜひ利用してください。なお,利用が少なかった場合にはバス停の統廃合 を含め,今後見直しをさせていただく場合があります」
○今後のモニタリングと見直しの方針:
・半年~1年間の利用実績をみながら,以下に示す目標利用水準と同等またはそれ以上の利 用が見られるか判断
⇒達成している場合は継続設置
参考表
バス停設置について要望のあった地域と諸条件
(第 11 回協議会参考資料より抜粋)検 討 項 目 新設
実施 備考
対 象 地 域 時間所要※1 既存バス競合※2 周辺人口密度 施設・企業等
① 筑波山神社入口 × ○ 低 ‐ × ‐
北部 ② 佐 ○ × 低 ‐ × ‐
③ 天久保北4丁目 ○ × 高 ‐ × ‐
④ 実験植物園 ○ × 低 ○ × ‐
小田
⑤ 小田中部 ○ ○ 中~高 ‐ ○
人口密度が高く,また病院等があ るほか,過年度における利用実績 が高いこと,車椅子の乗降が可能 なことから設置
⑥ 下大島 × ○ 低 ‐ × ‐
⑦ 上境保育所前 ○ ○ 中~高 ‐ ○
今年度まちびらきを行う中根・金 田台地区地区のまちづくりの一環 として設置
⑧ 作谷 ○ △ 低 ‐ ○ 高齢者の郵便局利用が見込めるた
め設置
作岡 ⑨ 今鹿島 ○ ○ 中 ‐ ○
複数の地域要望があがっており, 地域が自ら利用促進に向けて努力 する方針を示しているため設置
⑩ 東光台 ○ ○ 高 ○ ○
東光台には複数のバス停があるも のの,住宅団地は市内でも人口の 多いにもかかわらず現バス停が離 れ利用し難い環境のため,2箇所 に設置
⑪ 田倉 ○ × 低 ‐ × ‐
吉沼
⑫ テクノパーク豊里
入口 ○ ○ 低 ○ ○
テクノパーク豊里への通勤者・来 訪者の利用が見込めるため設置
⑬ 山中学園台 × ○ 中 ‐ × ‐
南部
⑭ 牧園 ○ × 中~高 ‐ ●
人口密度が比較的高く,また,研 究所が近隣に立地しており需要が 見込まれる。また,同一方面へ運 行する路線バスの運行便数が極め て少なく,実質競合関係にあると はいいがたいため,路線バスへの 影響が小さいものと判断される。
⑮ 菅間 ○ ○ 低 ‐ × ‐
⑰ 弁天前 ○ △ 中~高 ‐ ○
人口密度が高く,過年度利用実績 が高いこと,坂道等があり茎崎窓 口センターの利用が困難であるこ とから設置
自由 ヶ丘
⑱ 茎崎みなみ郵便
局 ○ △ 中 ‐ ○
高齢者の郵便局利用が見込めるた め設置
⑲ 森の里団地入口 ○ △ 高 ‐ ○
人口密度が高く,坂道等があり茎 崎窓口センターの利用が困難であ ることから設置
⑳ 泊崎 ○ ○ 低 ‐ × ‐
【移設】
②吉沼シャトル・自由ヶ丘シャトルの「西部工業団地」バス停を南へ約 300m 移設することに
より、近隣居住者の利便性を向上させ利用促進を図る。
○「西部工業団地」バス停周辺には中程度の人口密度をもつ山中学園台等の住宅地があるが、 先述(P.5~6)のとおり諸条件を検討した結果、バス停を新設することは困難との評価 結果を得た。
○このため、次善の策として近隣に位置する同バス停を移設し、利便性向上を図るものである。
図 「西部工業団地」バス停の移設に伴う利便性向上イメージ 山中学園台
柳橋 科学万博記念公園
西部工業団地(現)
現状では 1~ 1.5km 歩く
300m 南へ移設
移設箇所
西
西部
部工
工業
業団
団地
地
現在位置
移設先 科学万博記念
公園バス停
A 上り
3.つくバス・つくタクの 10 月見直しについて(平成 24 年 10 月実施予定)
ルートの見直しをはじめとした抜本的な見直しについて
○2.に示すとおり,当面「つくタク」を中心に利便性向上に向けた運行方法の改善を図る こととする。
○なお,「つくバス」については,迂回を伴わないバス停増設及び移設(各1箇所)のみ改 善することとし,迂回を要するバス停の増設については,抜本的な運行方法の見直しとあ わせて平成24年10月段階で実施する。(以下主な理由)
<つくバスの見直しを平成 24 年 10 月に実施する理由>
① 連携計画に示した「つくバス」の役割(鉄道二次交通手段)
・連携計画に示すとおり,市内各地への鉄道二次交通手段としての役割を担う「つくバス」に ついては,鉄道路線(TX)のダイヤに連動した見直しが必要。
・TXでは毎年10月にダイヤ改正を実施しており(平成23年のみ節電ダイヤの実施等による 影響により未実施),それにあわせた対応を図っていくこととする。
② 連携計画における「幹線+支線ネットワーク」の考え方
・連携計画に示すとおり,つくば市の公共交通体系は,「幹線+支線ネットワーク」による構 築を目指すこととしている。
・しかし,現状の利用状況から「幹線+支線ネットワーク」として機能しているとはいいがた く,その状況について見直しを含めた対応を検討することが必要となる。
・見直しにあたっては,支線系統である「つくタク」における乗継需要の定着可能性や新たな 地域間需要の掘り起こしを進めた上で,市民の利便性向上に向けて望ましい運行形態とはど のような形かについて検討していくことが求められる。その一環として,4月から半年間の 「つくタク」の実証的検証を進めたい。
※本件については,平成 23 年 11 月 14 日に実施した第8回幹事会において協議・承認された 方向性である。
※現在,挙げられている市民・区会等からの迂回を伴う停留所増設要望については,この中で 検討していきたい。
③ アンケート結果の反映
・上記②と関連し,市民にとって望ましい公共交通体系としていくために,平成23年12月に アンケート調査を実施したところである。